■無免許者にご注意を！





　近年整体、カイロプラクティック、もみほぐし、手もみ、リラクゼーション、ツボマッサージ（ツボ療法）、ボディケア、ヘッドスパ、リフレクソロジー等の療法を謳った施術が広がりをみせています。

　これらの療法は法律（あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律：昭和22年12月20日法律第217号）に基づき一定の水準以上の知識や技術を持っていると認められ、その提供する業務の質が担保されている我々の国家資格とは明らかに違うものなのですが、混同されていることにより不利益を被っている方も少なくないものと思われます。

　ここでは主に混同されやすいあん摩マッサージ指圧師（以下あマ指師）について述べますが、それは最低でも３年間専門学校（または大学）で勉強し、さらに国家試験に通らなくては名乗ることが出来ません。

　一方で整体師などは短期間、民間資格の養成スクールや通信講座で勉強するのみであったり、チェーン店などで簡単な講習を受けるのみの場合が多く、あるいはその必要さえなく誰でも名乗ることが出来ます。

　あん摩マッサージ指圧と整体等の違いとして一番に考えれれるところとして、あん摩マッサージが危険性が前提となっているのに対して、整体等は人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象となるところだと思います。

　ほぼ全ての医学は危険性をはらんでおり、だからこそ法的な資格制度がありリスクを最小化しようとしているわけですが、絶対的に安全であることを求められているものに果たしてどのような成果をあげられるでしょうか。それに却って危ないんじゃないかと思うのは私だけじゃないはずです。

　我々の団体では、整体等は無免許者による事実上のあん摩マッサージ指圧であって脱法行為で認められないという立場です。マッサージは本来素人同然であったり経験の浅い人が行うにはリスクがあり、だからこそあマ指師と医師しか行えないものなのです。また整体やカイロプラクティックの関節を急激に捻ったり伸ばす手技（スラスト法）は、厚労省でも禁止すべきとしていますが、関節を損傷させ後遺症を残すリスクがあります。実際に事故も多発しています。

　柔道整復師が自費で整体等を行う所も増えてきています。柔整師とはあマ指師同様国家資格ですが、違いとして外傷性が明らかな捻挫や挫傷、打撲、脱臼、骨折等の損傷に対して非観血的療法によって整復・固定ができる免許です（脱臼、骨折への施術は応急の場合を除き要医師同意）、肩こりや長引く腰痛その他慢性症状に対して本当の意味で知識や技術、経験があるかというと残念ながらそうではないと言わざるを得ないと思います。

　ちょっとした不調であればあん摩マッサージや鍼灸の施術により１〜３回程度の施術で寛解していくことが多いところを、長引いたり却って悪くなんて誰もしたくはないと思います。あなたの大切な体を診てもらうのにどちらに任せたほうがいいかは、賢明なあなたならすぐにお分かりになるのではないでしょうか。